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Lee-Byung-hun addicted

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しゃちほこ  3

しゃちほこ その3



「いたたたた・・もっとやさしくして」

ベッドでうつ伏せになった彼が叫ぶ。

彼に跨り腰をぎゅっとマッサージする揺。

「え~。そおっとしか押してないよ~。もう・・・振りすぎなのよ」

「だって仕方ないじゃないか。こうやってなまめかしく動かせっていうんだから」

ビョンホンは揺をどかして起き上がるとベッドの脇でTシャツとパンツ姿で踊りだす。

「もう・・・・やだ」

揺はゲラゲラと笑いながら彼に枕を投げた。

彼は枕をキャッチすると勢いよく揺の隣に座る。

「準備運動はばっちりだ。さ、始めようか」

揺を見つめてそういうと手に持っていた枕を天井に投げあげる。

「もう・・・・腰大丈夫なの?」

揺はケタケタと笑うと彼の首にしがみついた。




「・・・・・であと何の練習するの?」

一仕事を終え、横になった彼のふくらはぎを揺はやさしくマッサージしている。

「・・・あ・・・・気持ちいい・・・・極楽。・・・・え?あと?ピアノ」

「ピアノ?何弾くの?」

「ニューシネマパラダイスのLove Theme」

「ああ。ちゃあ~ちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃぁ~ってやつ?・・・・弾けそう?」

「う~ん。とにかく時間がないからな。だからこの部屋とってもらって缶詰さ」

彼の視線の先にはグランドピアノ。

「どうりで。ソウルに泊まるのにリッチすぎると思った。」

「揺・・・お前個人教授な」

彼はまた急に起きだすと揺の腕をつかみTシャツとパンツ姿でグランドピアノに歩み寄る。

「えっと・・・楽譜は・・・あったあった。」

何冊も積み上げられた打ち合わせ書類の中から数枚の紙束を抜き出してピアノの譜面台に置いた彼は軽く咳払いをして鍵盤に手を置いた。

息を呑む傍らの揺。

スムーズに弾き始めた彼・・・・・・最初の数小節を弾くとパタッと指の動きが止まった。

「どうしたの?」不安げに尋ねる揺。

「この先・・・まだ練習してない」

「うそ~これから先が難しいんじゃない~」

揺は譜面台の楽譜を慌ててペラペラとめくる。

「本当にやるの?」

「うん。やる・・・・決めたから」

「無謀ね・・・しょうがない。スパルタだよ。授業料高いよ。」

「身体で払う」

彼はそういうととなりに座る揺の首筋に唇を這わせた。

「はいはい。わかったから。後でたっぷり払ってもらうから。じゃ、ここから」

「はい」

彼は真面目に返事をするとまた鍵盤に手を乗せた。



「ねぇ~もうそろそろ寝ようよ。まだ明日もあるし・・・」

揺はそういうと大きなあくびをした。

「今何時?」

鍵盤に向かう必死な彼。

「もう4時だよ・・。ビョンホンssi本当に凝り性なのね。」

半ば呆れ気味に揺はつぶやいた。

「途中じゃ悔しくてやめられない。もうちょっとで一通り弾けるようになる。」

彼の真剣な横顔をじっと眺める。

あくびをしている自分が何だかすごく悪い女に思えてくる。

「そこはこうやって指を変えると弾きやすいんじゃない?」

アドバイスをしながら彼の指に触れる。

とても繊細な指が最初よりもなめらかに鍵盤の上を滑っていた。

いくら彼の勘がよくても何年も弾いていないピアノそんなすぐに弾けるようになるわけがない・・・つい数時間まえ練習を始めるまでそう思っていたけど。

「この人・・・・本気だ」

彼の集中力に改めて驚く。

「弾けた・・・・とりあえず一通り」

彼はそういうと大きく深呼吸をしてにっこりと笑った。



「あ~~今日は我ながらよく頑張ったな」

ベッドに横になった彼はそういうと満足そうに天井を仰いだ。

「うん。頑張りすぎで心配になっちゃった・・大丈夫?」

「ん?大丈夫さ。みんな俺のこと待っててくれるんだから。そう思うとこう・・力がさ湧いてくるって言おうか・・・」

そう話す彼の瞳は疲れているはずなのにキラキラと輝いていた。

「お疲れ様。今日はこうやって抱きしめててあげるからゆっくり眠って。」

揺はそういうと彼の頭をその胸に抱きしめるとそっと優しく髪を撫でる。

「うん。」

彼はそう頷くとそっと目を閉じた。

あっという間に寝息が聞こえてくる・・・・。

「完全燃焼ね」

揺は微笑みながらずっとやさしく彼を抱きしめていた。


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